漸化式の定義と基本的な3パターンの解き方、考え方の基本方針

いままでいろいろな数列で求めてきた”一般項”は

第n項がいくつかを表した式

です。

一方、ここで紹介する”漸化式”は、簡単にいえば

変化の様子を表した式

です。

その変化の様子は、\( a_n \)と\( a_{n+1} \)を用いて表すことが多いのですが、言葉だけではなかなかイメージしづらいと思います。

ですので、まずは、基本的な漸化式をいくつか見ていきます。

具体的には

  • 等差数列の漸化式
  • 等比数列の漸化式
  • 階差数列\( \{ b_n \} \)を用いた漸化式

を紹介します。

そして、漸化式に関する問題として、よくあるのが

漸化式から一般項を求める問題

です。

ここでは、よく出てくる

  • \( a_{n+1} = pa_n + q \)
  • \( a_{n+1} = pa_n + qn \)
  • \( a_{n+1} = pa_n + q^n \)
  • \( a_{n+2} = pa_{n+1} + qa_n \)

の4パターンを解いていきます。

それらの問題を解くための基本方針となる考え方も合わせて紹介していますので、ぜひ理解してください。

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基本的な3つの漸化式

等差数列の漸化式

まずは、基本的な漸化式のひとつ目として、等差数列の漸化式です。

公差が\( d \)の等差数列なら、項数がひとつ増えるごとに\( d \)ずつ増えていくので

\[ a_{n+1} = a_n + d \]

と表すことができます。

等比数列の漸化式

基本的な漸化式のふたつ目は、等比数列の漸化式です。

公比が\( r \)の等差数列なら、項数がひとつ増えるごとに\( r \)倍になっていくので

\[ a_{n+1} = r a_n \]

と表すことができます。

階差数列\( \{ b_n \} \)を用いた漸化式

最後は、階差数列\( \{ b_n \} \)を用いた漸化式の表し方です。

階差数列\( \{ b_n \} \)は、階差数列の定義や利用・活用についてで紹介したように

\[ b_n = a_{n+1} – a_n \]

ですので、漸化式は

\[ a_{n+1} = a_n + b_n \]

と表すことができます。

漸化式から一般項を求める

基本方針は「等差数列や等比数列、階差数列の形にする」

漸化式の問題を解くための基本方針となる考え方は

等差数列や等比数列・階差数列の漸化式の形にする

ということ。

つまり、基本的な3つの漸化式

  • 等差数列:\( a_{n+1} = a_n + d \)
  • 等比数列:\( a_{n+1} = r a_n \)
  • 階差数列を用いた形:\( a_{n+1} = a_n + b_n \)

のいずれかの形に近づけることを考えるのです。

そのことを頭に入れつつ、ここからは

  • \( a_{n+1} = pa_n + q \)
  • \( a_{n+1} = pa_n + qn \)
  • \( a_{n+1} = pa_n + q^n \)
  • \( a_{n+2} = pa_{n+1} + qa_n \)

の4つのパターンで実際に一般項を求めてみましょう。

隣接二項間漸化式\( a_{n+1} = pa_n + q \)の一般項の求め方

まずは、漸化式が

\[ a_{n+1} = pa_n + q \]

の形で表される数列の一般項の求め方です。

求め方はいくつかあり、今回は

  • 階差数列を利用して等比数列の形にする方法
  • 両辺に\( \frac{1}{p^{n+1} } \)をかけて階差数列を用いた漸化式の形にする方法
  • \( a_{n+1} – \alpha = p(a_n – \alpha) \)という等比数列の形を作って計算する方法

の3通りを紹介しています。

階差数列を利用して等比数列の形にする方法

まずひとつめの方法は

階差数列を利用して等比数列の形にする方法

です。

いま一般項を求めたい漸化式\( a_{n+1} = pa_n + q \)を見ていて

\( q \)がなかったら、等比数列の形だったのに…

なんて思いませんか?

その\( q \)を消して等比数列の形に近づける方法は

階差数列を利用する

というものです。

実際に、階差数列を計算すると

\begin{align*}
a_{n+1} – a_{n} & = (pa_{n} + q) – (pa_{n-1} + q) \\
& = p(a_{n} – a_{n-1})
\end{align*}

となり、\( q \)を消すことができるのです。

※\( p = 1 \)や\( q = 0 \)では等差数列や等比数列の漸化式となりますので、ここでは\( p \neq 1 , q \neq 0 \)として考えていきます。

ここでは、その方法を使って

  • 漸化式:\( a_{n+1} = 3a_n + 2 \)

の一般項を求めていきます。

漸化式\( a_{n+1} = 3a_n + 2 \)の一般項を求める

\begin{align*}
& a_1 = 1 \\
& a_{n+1} = 3a_n + 2 \phantom{xxxx} (n = 1,2,3,\cdots )
\end{align*}

で表される数列の一般項を求めていきましょう。

 

まずは、階差数列を計算します。

\( n \geq 2 \)の場合、階差数列\( \{ b_n \} \)は

\begin{align*}
b_n = & a_{n+1} – a_{n} \\
= & (3a_{n} + 2) – (3a_{n-1} + 2) \\
= & 3(a_{n} – a_{n-1}) \\
= & 3b_{n-1}
\end{align*}

と計算できます。

(※ちなみに、\( n \geq 2 \)としているのは、\( n = 1 \)をそのままあてはめると

\[ b_1 = 3(a_1 – a_0) \]

となりますが、\( a_0 \)は定義されておらず、この式からは\( b_1 \)が計算できないためです。)

さて、階差数列\( \{ b_n \} \)は

\[ b_n = 3b_{n-1} \phantom{xxxx} ( n \geq 2 ) \]

と公比が3の等比数列になっていることがわかりました。

そして階差数列で見たように、いま考えている数列\( \{ a_n \} \)は

\[ a_n = a_1 + \sum_{k=1}^{n-1} b_k \]

と表せます。

また、等比数列で見たように、初項\( b_1 \)、公比\( r \)の等比数列の初項から第n-1項までの和は

\[ \sum_{k=1}^{n-1} b_k = \frac{b_1(r^{n-1} – 1)}{r-1}\]

と計算できます。

初項と公比がわかれば等比数列の和を求めることができるので、まずは等比数列\( \{ b_n \} \)の初項\( b_1 \)を求めましょう。

いま、階差数列\( b_n = a_{n+1} – a_n \)の初項\( b_1 \)は

\[ b_1 = a_2 – a_1 \]

と表せます。

定義より

\begin{align*}
a_1 & = 1 \\
a_2 & = 3a_1 + 2 \\
& = 3 \cdot 1 + 2 \\
& = 5
\end{align*}

となるので、初項\( b_1 \)は

\begin{align*}
b_1 & = a_2 – a_1 \\
& = 5-1 \\
& = 4
\end{align*}

となります。

よって、数列\( \{ b_n \} \)は初項4、公比3の等比数列であり、その和は

\begin{align*}
\sum _{k=1} ^{n-1} 4 \cdot 3^{k-1} = & \frac{1}{2} \cdot 4(3^{n-1} – 1) \\
= & 2(3^{n-1} – 1)
\end{align*}

と計算できます。

つまり、いま考えている数列\( \{ a_n \} \)は

\begin{align*}
a_n & = a_1 + 2(3^{n-1} – 1) \\
& = 1 + 2 \cdot 3^{n-1} – 2 \\
& = 2 \cdot 3^{n-1} – 1 \\
\end{align*}

と求めることができます。

\( \frac{1}{p^{n+1} } \)をかけて階差数列を用いた漸化式の形にする方法

ふたつめの方法は

\( \frac{1}{p^{n+1} } \)をかける

という方法です。

いま一般項を求めたい漸化式\( a_{n+1} = pa_n + q \)を見ていて

\( a_n \)の前に\( p \)がなかったら良かったのに…

なんて思いませんか?

この\( p \)を消す方法もあります。

それは

両辺に\( \frac{1}{p^{n+1} } \)をかける

というもの。

実際に、漸化式\( a_{n+1} = pa_n + q \)の両辺に\( \frac{1}{p^{n+1} } \)をかけると

\[ \frac{ a_{n+1} }{p^{n+1} } = \frac{ a_{n} }{p^{n}} + \frac{q}{p^{n+1}} \]

という形になります。

ここで、

\[ b_n = \frac{ a_{n} }{p^{n}} \]

と置くと、

\[ b_{n+1} = b_n  + \frac{q}{p^{n+1}} \]

となり、階差数列を用いた漸化式の形になることが確かめられます。

ここでは、その方法を使って

  • 漸化式:\( a_{n+1} = 3a_n + 2 \)

の一般項を求めていきます。

漸化式\( a_{n+1} = 3a_n + 2 \)の一般項を求める

まずは、具体的な漸化式

\begin{align*}
& a_1 = 1 \\
& a_{n+1} = 3a_n + 2 \phantom{xxxx} (n = 1,2,3,\cdots )
\end{align*}

で表される数列の一般項を求めていきます。

 

冒頭で述べたように、まずは\( a_{n+1} = 3a_n + 2 \)の両辺に\( \frac{1}{3^{n+1} } \)をかけると

\[ \frac{ a_{n+1} }{3^{n+1} } = \frac{ a_{n} }{3^{n}} + \frac{2}{3^{n+1}} \]

という形になります。

ここで、

\[ b_n = \frac{ a_{n} }{3^{n}} \]

と置くと、

\[ b_{n+1} = b_n  + \frac{2}{3^{n+1}} \]

となり、階差数列を用いた漸化式の形になっていることが確かめられます。

そして、階差数列の\( \frac{2}{3^{n+1}} \)は

\begin{align*}
\frac{2}{3^{n+1}} = & \frac{2}{3^2}(\frac{1}{3})^{n-1} \\
= & \frac{2}{9}(\frac{1}{3})^{n-1}
\end{align*}

と変形すると明らかなように、初項\( \frac{2}{9} \)、公比\( \frac{1}{3} \)の等比数列です。

 

さて、階差数列でも見たように、いま考えている数列\( \{ b_n \} \)は

\[ b_n = b_1 + \sum_{k=1}^{n-1} \frac{2}{9}(\frac{1}{3})^{k-1} \]

と表せます。

\( b_1 \)は

\begin{align*}
b_1 = & \frac{ a_1 }{3} \\
= & \frac{1}{3}
\end{align*}

となりますので、上記の式は

\[ b_n = \frac{1}{3} + \sum_{k=1}^{n-1} \frac{2}{9}(\frac{1}{3})^{k-1} \]

となります。

また、等比数列で見たように、初項\( \frac{2}{9} \)、公比\( \frac{1}{3} \)の等比数列の初項から第n-1項までの和は

\begin{align*}
& \sum_{k=1}^{n-1} \frac{2}{9}(\frac{1}{3})^{k-1} \\
= & \frac{2}{9} \frac{ \{ 1 – (\frac{1}{3})^{n-1} \} }{ 1 – \frac{1}{3}} \\
= & \frac{2}{9} \frac{ \{ 1 – (\frac{1}{3})^{n-1} \} }{ \frac{2}{3}} \\
= & \frac{2}{9} \cdot \frac{3}{2}\{ 1 – (\frac{1}{3})^{n-1} \} \\
= & \frac{1}{3}\{ 1 – (\frac{1}{3})^{n-1} \} \\
= & \frac{1}{3} – (\frac{1}{3})^n
\end{align*}

と計算できます。

よって、いま考えていた数列\( \{ b_n \} \)は

\begin{align*}
b_n = & \frac{1}{3} + \frac{1}{3} – (\frac{1}{3})^n \\
= & \frac{2}{3} – (\frac{1}{3})^n \\
\end{align*}

となります。

いま、\( b_n = \frac{ a_n }{3^n} \)として計算していましたので、元々の数列\( \{ a_n \} \)は

\begin{align*}
a_n = & 3^n \{ \frac{2}{3} – (\frac{1}{3})^n \} \\
= & 2 \cdot 3^{n-1} – 1
\end{align*}

と求めることができます。

\( q \)を両辺に振り分けて等比数列の形を作る方法

最後に紹介する方法は

\( q \)を両辺に振り分けて等比数列の形にする

というものです。

この方法では、”階差数列を利用して等比数列の形にする方法”と同じように、\( q \)を消して等比数列を作ることができます。

具体的には、\( q \)を\( \alpha \)と\( p\alpha \)に分けて

\[ a_{n+1} – \alpha = p(a_n – \alpha) \]

と変形するやり方です。

ここでは、その方法を使って

  • 漸化式:\( a_{n+1} = 3a_n + 2 \)

の一般項を求めていきます。

漸化式\( a_{n+1} = 3a_n + 2 \)の一般項を求める

\begin{align*}
& a_1 = 1 \\
& a_{n+1} = 3a_n + 2 \phantom{xxxx} (n = 1,2,3,\cdots )
\end{align*}

で表される数列の一般項を求めていきます。

 

まずは、問題文の式\( a_{n+1} = 3a_n + 2 \)を

\[ a_{n+1} – \alpha = 3(a_n – \alpha) \]

という形に変形することから考えましょう。

この式を展開すると

\begin{align*}
& a_{n+1} – \alpha = 3(a_n – \alpha) \\
\Leftrightarrow & a_{n+1} = 3a_n + \alpha – 3\alpha \\
\Leftrightarrow & a_{n+1} = 3a_n – 2\alpha \\
\end{align*}

となります。

元の式\( a_{n+1} = 3a_n + 2 \)と比較すると、\( \alpha \)は

\begin{align*}
& – 2\alpha = 2 \\
\Leftrightarrow& \alpha = -1
\end{align*}

であればよいことがわかります。

よって、問題文の式は

\[ a_{n+1} + 1 = 3(a_n + 1)\]

と式変形できるのです。

ここで、\( b_n = a_n + 1 \)とおくと、上記の式は

\[ b_{n+1} = 3b_n \]

となり、公比が3の等比数列の形をしています。

そして、初項\( b_1 \)は

\begin{align*}
b_1 & = a_1 + 1 \\
& = 1 + 1 \\
& = 2
\end{align*}

ですので、数列\( \{ b_n \} \)の一般項は

\begin{align*}
b_n = 2 \cdot 3^{n-1}
\end{align*}

となります。

\( b_n = a_n + 1 \)とおいたので、元の数列\( \{ a_n \} \)は

\begin{align*}
a_n & = b_n – 1 \\
& = 2 \cdot 3^{n-1} – 1
\end{align*}

と求めることができます。

隣接二項間漸化式 \( a_{n+1} = pa_n + qn \) の一般項の求め方

次は、漸化式が

\[ a_{n+1} = pa_n + qn \]

の形で表される数列の一般項の求め方です。

考え方は漸化式\( a_{n+1} = pa_n + q \)の\( q \)を消して一般項を求める」でやったときと同じです。

ここでは、

階差数列を利用して\( a_{n+1} = pa_n + q \)にする方法

で解いていきます。

階差数列を利用して \( a_{n+1} = pa_n + q \) の形にする方法

ここでは、具体的な漸化式

\begin{align*}
& a_1 = 1 \\
& a_{n+1} = 3a_n + 4n \phantom{xxxx} (n = 1,2,3,\cdots )
\end{align*}

で表される数列の一般項を求めていきます。

まずはじめに、階差数列を計算してみましょう。

\( n \geq 2 \)の場合、階差数列\( \{ b_n \} \)は

\begin{align*}
b_n = & a_{n+1} – a_{n} \\
= & (3a_{n} + 4n) – (3a_{n-1} + 4(n-1)) \\
= & 3(a_{n} – a_{n-1}) + 4 \\
= & 3b_{n-1} + 4
\end{align*}

と計算できます。

※ちなみに、\( n \geq 2 \)としているのは、\( n = 1 \)をそのままあてはめると

\[ b_1 = 3(a_1 – a_0) + 4 \]

となりますが、\( a_0 \)は定義されておらず、この式からは\( b_1 \)が計算できないためです。

また、\( b_n = a_{n+1} – a_n \)とおいたので、数列\( \{ b_n \} \)の初項は

\[ b_1 = a_2 – a_1 \]

で計算できます。

さらに、\( a_{n+1} = 3a_n + 4n \)なので、\( a_2 \)は

\begin{align*}
a_2 & = 3a_1 + 4 \cdot 1 \\
& = 3 \cdot 1 + 4 \\
& = 7
\end{align*}

となり、初項\( b_1 \)は

\begin{align*}
b_1 & = 7 – 1 \\
& = 6
\end{align*}

です。

ここまで計算してきた結果をいったんまとめておきます。

\begin{align*}
& b_1 = 6 \\
& b_{n+1} = 3b_n + 4 \phantom{xxxx} ( n \geq 1 )
\end{align*}

 

さて、階差数列\( \{ b_n \} \)は「漸化式 \(a_{n+1} = pa_n + q\) の一般項の求め方」で解いた形になっています。

そこで紹介した解き方は

  • \( q \)を消して等比数列の形にする方法
  • 両辺に\( \frac{1}{p^{n+1} } \)をかけて階差数列を用いた漸化式の形にする方法
  • \( q \)を両辺に振り分けて等比数列の形にする

の3通りありました。

今回は、いちばん下の「\( q \)を両辺に振り分けて一般項を求める」という方法で解いていきます。

 

まず考えるのは

\( b_{n+1} = 3b_n + 4 \)が\( b_{n+1} – \alpha = 3(b_n – \alpha) \)の形にならないか?

ということです。

\( b_{n+1} – \alpha = 3(b_n – \alpha) \)を展開すると

\begin{align*}
& b_{n+1} – \alpha = 3b_n – 3\alpha \\
\Leftrightarrow & b_{n+1} = 3b_n – 2\alpha
\end{align*}

となりますので、\( b_{n+1} = 3b_n + 4 \)と等しくなるのは

\[ \alpha = -2 \]

のときです。

よって、\( b_{n+1} = 3b_n + 4 \)は

\[ b_{n+1} + 2 = 3(b_n + 2) \]

と式変形できるということです。

いま、\( c_n = b_n + 2 \) とおくと

\[ c_{n+1} = 3c_n \]

となり、数列\( \{ c_n \} \)は公比\( 3 \)の等比数列になっています。

そして、初項\( c_1 \)は

\begin{align*}
c_1 & = b_1 + 2 \\
& = 6 + 2 \\
& = 8
\end{align*}

ですので、等比数列\( \{ c_n \} \)は

\[ c_n = 8 \cdot 3^{n-1} \]

となります。

\( c_n = b_n + 2 \)とおいたので、数列\( \{ b_n \} \)は

\[ b_n = 8 \cdot 3^{n-1} – 2 \]

 

さて、\( \{ b_n \} \)は、元々の数列\( \{ a_n \} \)の階差数列です。

階差数列で見たように、いま考えている数列\( \{ a_n \} \)は

\[ a_n = a_1 + \sum_{k=1}^{n-1} b_k \]

と表せます。

\( \sum_{k=1}^{n-1} b_k \)は

\begin{align*}
\sum_{k=1}^{n-1} b_k & = \sum_{k=1}^{n-1}(8 \cdot 3^{n-1} – 2) \\
& = 8\sum_{k=1}^{n-1} 3^{n-1}  – 2(n-1) \\
& = 8 \frac{3^{n-1} – 1}{3-1} -2n + 2 \\
& = 4 \cdot 3^{n-1} – 4 -2n + 2 \\
& = 4 \cdot 3^{n-1} -2n – 2 \\
\end{align*}

と求めることができます。

よって、数列\( \{ a_n \} \)の一般項は

\begin{align*}
a_n & = a_1 + \sum_{k=1}^{n-1} b_k \\
& = 1 + 4 \cdot 3^{n-1} -2n – 2 \\
& = 4 \cdot 3^{n-1} -2n – 1
\end{align*}

となります。

隣接二項間漸化式 \( a_{n+1} = pa_n + q^n \) の一般項の求め方

次は、漸化式

\[ a_{n+1} = pa_n + q^n \]

の一般項を求める方法を説明します。

方法は「漸化式 \( a_{n+1} = pa_n + q \) の \( p \) を消して一般項を求めるでやったものと同じです。

ここでは、

両辺に \( \frac{1}{p^{n+1} } \) をかける方法

を使って解いていきます。

\( \frac{1}{p^{n+1} } \)をかけて階差数列を用いた漸化式の形にする方法

ここでは、具体的な漸化式

\begin{align*}
& a_1 = 5 \\
& a_{n+1} = 3a_n – 2^n \phantom{xxxx} (n = 1,2,3,\cdots )
\end{align*}

で表される数列の一般項を求めます。

まずは\( a_{n+1} = 3a_n – 2^n \)の両辺に\( \frac{1}{3^{n+1} } \)をかけると

\[ \frac{ a_{n+1} }{3^{n+1} } = \frac{ a_{n} }{3^{n}} – \frac{1}{3}(\frac{2}{3})^{n} \]

という形になります。

ここで、

\[ b_n = \frac{ a_{n} }{3^{n}} \]

と置くと、

\[ b_{n+1} = b_n  – \frac{1}{3}(\frac{2}{3})^{n} \]

となり、階差数列を用いた漸化式の形になっていることが確かめられます。

そして、階差数列の\( – \frac{1}{3}(\frac{2}{3})^{n} \)は、

\begin{align*}
– \frac{1}{3}(\frac{2}{3})^{n} = & – \frac{2}{3^2}(\frac{2}{3})^{n-1} \\
= & – \frac{2}{9}(\frac{2}{3})^{n-1}
\end{align*}

と変形すると明らかなように、初項\( – \frac{2}{9} \)、公比\( \frac{2}{3} \)の等比数列になっています。

 

さて、階差数列で見たように、いま考えている数列\( \{ b_n \} \)は

\begin{align*}
b_n & = b_1 + \sum_{k=1}^{n-1} \{ – \frac{2}{9}(\frac{2}{3})^{k-1} \} \\
& = b_1 – \sum_{k=1}^{n-1} \frac{2}{9}(\frac{2}{3})^{k-1}
\end{align*}

と表せます。

\( b_1 \)は

\begin{align*}
b_1 = & \frac{ a_1 }{3} \\
= & \frac{5}{3}
\end{align*}

となりますので、上記の式は

\[ b_n = \frac{5}{3} – \sum_{k=1}^{n-1} \frac{2}{9}(\frac{2}{3})^{k-1} \]

となります。

また、等比数列でも見たように、初項\( \frac{2}{9} \)、公比\( \frac{2}{3} \)の等比数列の初項から第n-1項までの和は

\begin{align*}
& \sum_{k=1}^{n-1} \frac{2}{9}(\frac{2}{3})^{k-1} \\
= & \frac{2}{9} \frac{ \{ 1 – (\frac{2}{3})^{n-1} \} }{ 1 – \frac{2}{3}} \\
= & \frac{2}{9} \frac{ \{ 1 – (\frac{2}{3})^{n-1} \} }{ \frac{1}{3}} \\
= & \frac{2}{9} \cdot 3 \{ 1 – (\frac{2}{3})^{n-1} \} \\
= & \frac{2}{3}\{ 1 – (\frac{2}{3})^{n-1} \} \\
= & \frac{2}{3} – (\frac{2}{3})^n
\end{align*}

と計算できます。

よって、いま考えていた数列\( \{ b_n \} \)は

\begin{align*}
b_n = & \frac{5}{3} – \frac{2}{3} + (\frac{2}{3})^n \\
= & 1 + (\frac{2}{3})^n \\
\end{align*}

となります。

いま、\( b_n = \frac{ a_n }{3^n} \)として計算していましたので、元々の数列\( \{ a_n \} \)は

\begin{align*}
a_n = & 3^n \{ 1 + (\frac{2}{3})^n \} \\
= & 3^n + 2^n
\end{align*}

と求めることができます。

隣接三項間漸化式 \( a_{n+2} = pa_{n+1} + qa_n \) の一般項の求め方

最後に、漸化式が

\[ a_{n+2} = pa_{n+1} + qa_n \]

の形で表される数列の一般項の求め方です。

ここでは

  • \( a_{n+2} – \alpha a_{n+1} = \beta (a_{n+1} – \alpha a_n) \)という等比数列の形を作って計算する方法

を紹介します。

考え方は、「漸化式\( a_{n+1} = pa_n + q \)の\( q \)を両辺に振り分けて一般項を求める」で使った方法とまったく同じです。

また、この方法で計算していく途中で、2通りの計算方法が出てきます。

一方の方法では、

  • \( \alpha = \beta \)の場合でも求めることができる
  • 途中で\( a_{n+1} = pa_n + q^n \)の形が出てきて計算が少し多くなる

もう一方の方法は、

  • 計算量が少し減る
  • \( \alpha = \beta \)の場合に求めることができない

といった違いが出てきます。

そういったことも頭に置きつつ、ここでは

  • \( a_{n+2} = 5a_{n+1} – 6a_n \)
  • \( a_{n+2} = 4a_{n+1} – 4a_n \)

のふたつの漸化式をそれぞれの方法で解いていきます。

漸化式\( a_{n+2} = 5a_{n+1} – 6a_n \)の一般項の求め方

ここでは、具体的な漸化式

\begin{align*}
& a_1 = 1 \\
& a_2 = 5 \\
& a_{n+2} = 5a_{n+1} – 6a_n \phantom{xxxx} (n = 1,2,3,\cdots )
\end{align*}

の解き方を見ていきます。

 

まずは、\( a_{n+2} – \alpha a_{n+1} = \beta (a_{n+1} – \alpha a_n) \)の形に変形することを考えます。

この漸化式を展開していくと

\begin{align*}
& a_{n+2} – \alpha a_{n+1} = \beta (a_{n+1} – \alpha a_n) \\
\Leftrightarrow & a_{n+2} = (\alpha + \beta) a_{n+1} – \alpha \beta a_n
\end{align*}

となります。

この式と、一般項を求めたい漸化式\( a_{n+2} = 5a_{n+1} – 6a_n \)を比較すると

\begin{cases}
\alpha + \beta = 5 \\
\alpha \beta = 6
\end{cases}

を満たすような\( \alpha \)、\( \beta \)が分かれば、元の漸化式は、\( a_{n+2} – \alpha a_{n+1} = \beta (a_{n+1} – \alpha a_n) \)の形に変形できることがわかります。

上の式\( \alpha + \beta = 5 \)は

\begin{align*}
& \alpha + \beta = 5 \\
\Leftrightarrow & \beta = 5 – \alpha
\end{align*}

と変形できますので、下の式\( \alpha \beta = 6 \)に代入すると

\begin{align*}
& \alpha \beta = 6 \\
\Leftrightarrow & \alpha (5 – \alpha) = 6 \\
\Leftrightarrow & 5\alpha – \alpha^2 = 6 \\
\Leftrightarrow & \alpha^2 – 5\alpha + 6 = 0 \\
\Leftrightarrow & ( \alpha – 2 )( \alpha – 3 ) = 0 \\
\Leftrightarrow & \alpha = 2,3
\end{align*}

となります。

\( \beta = 5 – \alpha \)なので

\( \alpha = 2 \)のとき、\( \beta = 3 \)
\( \alpha = 3 \)のとき、\( \beta = 2 \)

と解くことができます。

よって、いま考えている漸化式 \( a_{n+2} = 5a_{n+1} – 6a_n \) は

\begin{align*}
& a_{n+2} – 2 a_{n+1} = 3 (a_{n+1} – 2 a_n) \\
& a_{n+2} – 3 a_{n+1} = 2 (a_{n+1} – 3 a_n)
\end{align*}

の2通りに式変形できるのです。

 

さて、ここからは2通りの方法で解くことができます。

ひとつ目の方法は、\( \alpha = \beta \)となった場合に使うことができませんが、計算量は少なくて済みます。

もうひとつの方法は、計算量は少し増えますが、\( \alpha = \beta \)となった場合でも使える方法です。

そういったことを念頭に置きながら、続きを見ていきましょう。

方法1:連立方程式と見て、\( a_{n+1} \)を消す

ひとつ目の方法は

2つの式の連立方程式と見て、\( a_{n+1} \)を消す

というやり方です。

 

漸化式 \( a_{n+2} = 5a_{n+1} – 6a \) は

\begin{align*}
& a_{n+2} – 2 a_{n+1} = 3 (a_{n+1} – 2 a_n) \\
& a_{n+2} – 3 a_{n+1} = 2 (a_{n+1} – 3 a_n)
\end{align*}

と式変形できるところまで見てきました。

ここで

\begin{align*}
b_n = a_{n+1} – 2 a_n \\
c_n = a_{n+1} – 3 a_n
\end{align*}

とおくと、それぞれ

\begin{align*}
& b_{n+1} = 3 b_n \\
& c_{n+1} = 2 c_n
\end{align*}

とかけ、\( \{ b_n \} \)は公比 \( 3 \) の等比数列、\( \{ c_n \} \)は公比 \( 2 \) の等比数列となっていることがわかります。

\( \{ b_n \} \)の初項\( b_1 \)は

\begin{align*}
b_1 & = a_2 – 2 a_1 \\
& = 5 – 2 \cdot 1 \\
& = 3
\end{align*}

\( \{ c_n \} \)の初項\( c_1 \)は

\begin{align*}
c_1 & = a_2 – 3 a_1 \\
& = 5 – 3 \cdot 1 \\
& = 2
\end{align*}

と求めることができます。

つまり

数列\( \{ b_n \} \)は、初項 \( 3 \)、公比 \( 3 \) の等比数列
数列\( \{ c_n \} \)は、初項 \( 2 \)、公比 \( 2 \) の等比数列

なので、等比数列でも見たように、それぞれの数列の一般項は

\begin{align*}
& b_n = 3^n \\
& c_n = 2^n
\end{align*}

と表すことができます。

いま、\( b_n = a_{n+1} – 2 a_n \)、\( c_n = a_{n+1} – 3 a_n \) とおいたので、それぞれ

\begin{align*}
& a_{n+1} – 2 a_n = 3^n \phantom{xxxx} \cdots (1) \\
& a_{n+1} – 3 a_n = 2^n \phantom{xxxx} \cdots (2)
\end{align*}

となります。

ここで、\( a_{n+1} \)を消すために、(1) – (2) を行うと

\[ a_n = 3^n – 2^n \]

となり、数列\( \{ a_n \} \)の一般項を求めることができました。

 

今回は、\( \alpha \neq \beta \)だったので、式がふたつ出てきました。

その結果、連立方程式を解くのと同じような手順で一般項を求めることができました。

しかし、もし\( \alpha = \beta \)だった場合、式がひとつしか出てこないため、この方法は使えません。

そこで、ここからは\( \alpha = \beta \)の場合でも使える方法を紹介します。

方法2:漸化式 \( a_{n+1} = pa_n + q^n \) を解く

もうひとつの方法は

漸化式 \( a_{n+1} = pa_n + q^n \)の形にして解く

というもの。

「漸化式 \( a_{n+1} = pa_n + q^n \) の一般項の求め方」でも見たように、\( a_{n+1} = pa_n + q^n \)の形になれば漸化式は解くことができます。

この方法では

\begin{align*}
& a_{n+2} – 2 a_{n+1} = 3 (a_{n+1} – 2 a_n) \\
& a_{n+2} – 3 a_{n+1} = 2 (a_{n+1} – 3 a_n)
\end{align*}

のどちらか一方の式だけを使います。

今回は

\[ a_{n+2} – 2 a_{n+1} = 3 (a_{n+1} – 2 a_n) \]

を使います。

 

\( a_{n+2} – 2 a_{n+1} = 3 (a_{n+1} – 2 a_n) \)について

\begin{align*}
b_n = a_{n+1} – 2 a_n
\end{align*}

とおいて

\begin{align*}
& b_{n+1} = 3 b_n
\end{align*}

とし、

\begin{align*}
b_1 & = a_2 – 2 a_1 \\
& = 5 – 2 \cdot 1 \\
& = 3
\end{align*}

と初項\( b_1 \)を求め、

\begin{align*}
& b_n = 3^n \\
\Leftrightarrow & a_{n+1} – 2 a_n = 3^n
\end{align*}

とするところまでは「方法1」と同じです。

違うのはここからです。

まずは

\begin{align*}
& a_{n+1} – 2 a_n = 3^n \\
\Leftrightarrow & a_{n+1} = 2 a_n + 3^n
\end{align*}

と移項し、両辺を\( 2^{n+1} \)で割ると

\begin{align*}
& a_{n+1} = 2 a_n + 3^n \\
\Leftrightarrow & \frac{a_{n+1}}{2^{n+1}} = \frac{a_n}{2^n} +\frac{1}{2} (\frac{3}{2})^n
\end{align*}

となります。

ここで

\[ d_n = \frac{a_n}{2^n} \]

とおくと、上の式は

\[ d_{n+1} = d_n + \frac{1}{2} (\frac{3}{2})^n \]

となり、数列\( \{ d_n \} \)は階差数列に\( \frac{1}{2} (\frac{3}{2})^n \)を持つ数列であることがわかります。

階差数列で見たことを用いれば、数列\( \{ d_n \} \)の一般項は

\[ d_n = d_1 + \sum_{k=1}^{n-1} \frac{1}{2} (\frac{3}{2})^k \]

と表すことができます。

また、階差数列\( \frac{1}{2} (\frac{3}{2})^n \)は、初項\( \frac{3}{4} \)、公比\( \frac{3}{2} \)の等比数列となっており、その和は等比数列で見たように

\begin{align*}
& \sum_{k=1}^{n-1} \frac{1}{2} (\frac{3}{2})^k \\
= & \frac{\frac{3}{4} \{ 1- (\frac{3}{2})^{n-1} \} }{1-\frac{3}{2}} \\
= & \frac{\frac{3}{4} \{ 1- (\frac{3}{2})^{n-1} \} }{-\frac{1}{2}} \\
= & – \frac{3}{2}\{ 1- (\frac{3}{2})^{n-1} \} \\
= & (\frac{3}{2})^n – \frac{3}{2} \\
\end{align*}

と計算することができます。

そして、初項\( d_1 \)は

\begin{align*}
d_1 & = \frac{a_1}{2} \\
& = \frac{1}{2}
\end{align*}

ですので、いま考えていた数列\( d_n\)は

\begin{align*}
d_n & = d_1 + \sum_{k=1}^{n-1} \frac{1}{2} (\frac{3}{2})^k \\
& = \frac{1}{2} + (\frac{3}{2})^n – \frac{3}{2} \\
& = (\frac{3}{2})^n – 1 \\
\end{align*}

\( d_n = \frac{a_n}{2^n} \)として計算してきましたので、数列\( \{ a_n \} \)は

\begin{align*}
& \frac{a_n}{2^n} = (\frac{3}{2})^n – 1 \\
\Leftrightarrow & a_n = 3^n – 2^n
\end{align*}

と計算することができます。

漸化式\( a_{n+2} = 4a_{n+1} – 4a_n \)の一般項の求め方

次の漸化式は

\begin{align*}
& a_1 = 1 \\
& a_2 = 6 \\
& a_{n+2} = 4a_{n+1} – 4a_n \phantom{xxxx} (n = 1,2,3,\cdots )
\end{align*}

です。

この漸化式は、\( \alpha = \beta \)となり、「方法1」では解けないパターンの問題です。

 

\( a_{n+2} = 5a_{n+1} – 6a_n \)の場合と同様に、\( a_{n+2} – \alpha a_{n+1} = \beta (a_{n+1} – \alpha a_n) \)の形に変形していきましょう。

\begin{align*}
& a_{n+2} – \alpha a_{n+1} = \beta (a_{n+1} – \alpha a_n) \\
\Leftrightarrow & a_{n+2} = (\alpha + \beta) a_{n+1} – \alpha \beta a_n
\end{align*}

と、漸化式\( a_{n+2} = 4a_{n+1} – 4a_n \)を比較すると

\begin{cases}
\alpha + \beta = 4 \\
\alpha \beta = 4
\end{cases}

\( \alpha + \beta = 4 \)は

\begin{align*}
& \alpha + \beta = 4 \\
\Leftrightarrow & \beta = 4 – \alpha
\end{align*}

と変形できるので、下の式\( \alpha \beta = 4 \)に代入すると

\begin{align*}
& \alpha \beta = 4 \\
\Leftrightarrow & \alpha (4 – \alpha) = 4 \\
\Leftrightarrow & 4\alpha – \alpha^2 = 4 \\
\Leftrightarrow & \alpha^2 – 4\alpha + 4 = 0 \\
\Leftrightarrow & ( \alpha – 2 )^2 = 0 \\
\Leftrightarrow & \alpha = 2
\end{align*}

\( \beta = 4 – \alpha \)より

\( \alpha = 2 , \beta = 2 \)

と解くことができます。

よって、いま考えている漸化式 \( a_{n+2} = 4a_{n+1} – 4a_n \) は

\begin{align*}
& a_{n+2} – 2 a_{n+1} = 2 (a_{n+1} – 2 a_n)
\end{align*}

と式変形できます。

ここで

\[ b_n = a_{n+1} – 2 a_n \]

とおくと

\[ b_{n+1} = 2 b_n \]

となり、数列\( \{ b_n \} \)は公比\( 2 \)の等比数列となっています。

初項\( b_1 \)は

\begin{align*}
b_1 & = a_2 – 2 a_1 \\
& = 6 – 2 \cdot 1 \\
& = 4
\end{align*}

よって、数列\( \{ b_n \} \)の一般項は

\begin{align*}
b_n & = 4 \cdot 2^{n-1} \\
& = 2^{n+1}
\end{align*}

となります。

いま、\( b_n = a_{n+1} – 2 a_n \)とおいて計算してきましたので、元の数列\( \{ a_n \} \)は

\begin{align*}
& a_{n+1} – 2 a_n = 4 \cdot 2^{n-1} \\
\Leftrightarrow & a_{n+1} = 2 a_n + 2^{n+1}
\end{align*}

ここから、「漸化式 \( a_{n+1} = pa_n + q^n \) の一般項の求め方」でも見たように、両辺に\( \frac{1}{2^{n+1}} \)をかけると

\[ \frac{a_{n+1}}{2^{n+1}} = \frac{a_n}{2^n} + 1 \]

ここで

\[ c_n = \frac{a_n}{2^n} \]

とおくと

\[ c_{n+1} = c_n + 1 \]

と書け、数列\( \{ c_n \} \)は、公差\( 1 \)の等差数列になっていることがわかります。

初項\( c_1 \)は

\begin{align*}
c_1 & = \frac{a_1}{2^1} \\
&  = \frac{1}{2}
\end{align*}

ですので、数列\( \{ c_n \} \)の一般項は

\begin{align*}
c_n & = \frac{1}{2} + (n-1) \\
& = n – \frac{1}{2}
\end{align*}

と表せます。

いま、\( c_n = \frac{a_n}{2^n} \)とおいたので、数列\( \{ a_n \} \)は

\begin{align*}
& \frac{a_n}{2^n} = n – \frac{1}{2} \\
\Leftrightarrow & a_n = 2^n n – 2^{n-1} \\
\Leftrightarrow & a_n = 2^{n-1} (2n – 1) \\
\end{align*}

と計算できます。

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